研究会情報

2020年度

日本子ども学会主催「子ども学カフェ」第11回講演会 開催のお知らせ


新型コロナウィルス感染の拡大により、延期しておりました第11回目の子ども学カフェを、オンラインで開催いたします。今回は本学会の理事で、第13回子ども学会議の大会委員長もお務めになられた、おなじみの竹林洋一先生にお願いすることにいたしました。

いまや「AI(人工知能)」という言葉を聞かない日はないといっても過言でないくらい、急速に私たちの生活の中にAIはその姿を表し、やがて私たちを脅かすようになるかもしれないとすら思われるようになって来ました。子どもたちはいやおうなくAIと共に生きなければならなくなるでしょう。

そもそもAIとはいったいなんなのでしょう。AIの研究に長年にわたって携わり、AIの原点を子どもと共に見つめてこられた竹林先生のお話は、まさにこの今日的テーマにふさわしい洞察を与えてくださるはずです。そしてそれは本年度の第17回子ども学会議のテーマ「子どもらしさって、なあに?」とも結びつきます。どうぞオンラインで、ご自宅からリラックスしてご参加ください。


【テーマ】: AI・子ども・創造する心
【講 師】: 竹林 洋一
            (静岡大学創造科学技術大学院特任教授 / みんなの認知症情報学会理事長)

1956年に「①人工的な知能の実現と②人間の認知のメカニズムの探求」を目指して、人工知能(AI)という研究分野が誕生しました。私のメンターだった、AIの父、M.ミンスキー(1927-2016)は、「4歳の子どもの常識的な知能は偉大な科学者や芸術家の知能よりも複雑である」と主張し、「人間の脳は肉でできた凄いコンピュータだ!」と言っていました。人間の脳の数百種類の構造の異なる部位は,脳内や体の複数の部位や器官とつながり、各種化学物質も分泌され,私たちは様々な情報を並行処理して外界を認知し行動しているからです。
生前の小林登先生は、海洋生物学から人間科学を探求したJ.Z.ヤングの『PROGRAMS OF THE BRAIN(脳のプログラム)』(1978)に感化されたとのことです。何と1950年ごろ、J.Z.ヤングとコンピュータ科学の元祖、A.チューリングは、「マシンは意識を持ち、恋をし、経験から学べるか」について議論し、現在のAIよりも本質的な論考をしていました。
   小林先生は、人間の脳の中で色々なプログラムが動作していて、意識は哲学や心理学の精神医学の研究対象だが、人間の「意識」は、「プログラムが動いているということを実感するメカニズムだ」と考えると、人間に似た知能はAIのプログラムでシミュレート可能とお考えでした(CRN ライブラリー2002年 小林登対談「未来のアトムは子どもを超えるのか?」から)。
ミンスキーはチューリング賞(コンピュータ科学分野のノーベル賞)の受賞者ですが、その刊行したばかりのエッセイ集『創造する心--これからの教育に必要なこと』(2020.4)には、パーソナルコンピュータの父、アラン・ケイと安西祐一郎先生の素晴らしいエッセイも収録されています。私は「日本語版に寄せて」を執筆しました。子ども学カフェでは、「子どもの創造力を育む環境」についてAIの観点から考えてみたいと思います。


【日 時】 2020年7月11日(土)13:00~15:00
【場 所】 Youtubeにて、オンラインで行います。
【参加費】 無料
【URL】 https://youtu.be/dGl0yk5DqCo
  当日12:50から入室可能です。ご自由にお入りください。


【お問い合わせの連絡先】:

誰でも自由に参加できるオープンな場ですので、日本子ども学会の会員の方はもちろん、ご関心のある方をぜひお誘いください。学生も大歓迎です。


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