日本子ども学会について

設立趣意

日本子ども学会がめざすもの
―設立趣意―
小林 登 


子どもは、私たち大人が適切な育児・保育・教育を保障しなければ、その身体の成長も心の発達も損なわれる危険にさらされています。子どもとは、つねに"Children at risk(危機にある子どもたち)" なのです。

 その危険性を取り除くには、子どものことを考え、子どもの立場に立って、子どもの生活環境の中にあるすべてのモノやコトをデザインする "Child-Caring Design(成育デザイン)"(以下CCDと記します) が必須です。このCCDを作り出すためには、子どもに関係する人々が、学者、実践家(保育士、教師など)ばかりでなく、親までも含めて話し合い、その成果を、関係する学問の研究("studies" あるいは "research")を発展・深化させ、包括的・統合的に話し合う必要があります。その基盤となる、学際的あるいは環学的な学問体系を、私は「子ども学」("Child Science" )と呼んでいます。

 人間にかかわる科学は、20世紀に大きく進歩しましたが、デカルト主義的な方法論、すなわち要素還元主義 (reductionism)だけでは、人間を科学的に解明できないことは、誰もが認めるところです。そこに登場したのが、人間にかかわる自然科学や人文科学を包括し統合した、新しい学際的・環学的な「人間科学」"human science"です。そして、人間の形成期を対象とする「子ども学」は、子どもの人間科学であり、「人間科学」そのものの中核をなすものと言えます。

 「日本子ども学会」("Japanese Society of Child Science") は、CCDの学際的・環学的な話し合いの場であり、人間科学としての「子ども学」を体系づける場でもあるのです。2003年に設立された日本子ども学会が、21世紀の歩みとともに、その学会活動をさらに発展させ、未来を担う子どもたちの幸せのために、大きく寄与することを願ってやみません。

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