第1回子ども学研究会(研究部会) 当日のレポート1

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研究部会運営のお手伝いをしてくださった白百合女子大学の学生さんが抄録をもとに、当日の様子をまとめてくださいました。(お名前は発表者のみ掲載)

「デザインプロセスと脳の働き―総合学習のためのノート」

稲葉 武司


 稲葉先生は建築の設計を専門に大学で教鞭をとられる傍ら、設計能力に関する教育支援を長年にわたって研究してこられました。今回の発表は「デザインプロセスと脳の働き―総合学習のためのノート」という内容です。
 発表は、脳の働きと教育の2つの部分に分かれていて、一つ目は、実行機能といわれる脳の前頭連合野の教育が総合学習に結びつくというもので、二つ目は、デザイン教育は前頭連合野を活性化するというものでした。これらのことを「総合学習と脳とデザイン」という3つの観点から話されました。
 まず、小中学校における総合学習について、ハワード・ガードナーの例から数学や音楽など人間の様々な知能と教科が対応していることを述べ、では総合学習の基になっている脳・知能とは何か。それを刺激するような内容が総合学習の成立に必要であると話されました。そして、デザインこそが脳の前頭連合野およびその働きである実行機能の具体的な現れであり、したがって総合学習の内容であるということになります。次に、脳について、脳の働きを統合する機能の必要性について指摘し、学習障害やADHDの例を述べられました。そして、人が学ぶとか考えるとか以外のことをする脳が総合学習の脳であると話されました。
 さらに、前頭連合野の実行機能の働きを、物を特定する、目標を設定する、仮説を立てる、判断する、という流れにまとめたフローチャートで提示しました。それから、そしてそのフローを、チンパンジーがバナナを取るという問題解決場面に置き換えて説明されました。この行為は、条件の設定をし、仮説をし、どちらがいいかシミュレートをし、それに関する様々な手段を実現していく、という流れで表されますが、これはまさにデザインの流れであると述べられました。また、この流れを抽象化すると脳の前頭連合野の機能と一致し、このことから、脳の実行機能とデザインのフローチャートは重なり合うとしました。
 それから、実際のデザイン教育について述べられ、教師は先ほどのフローを生徒に教え、その途中をチェックする役割であり、生徒はそのやり取りを繰り返しているうちに、自らデザインのフローを行っていく事が身に付き、それと技術が結びついてデザインが完成させられるようになるということでした。しかし、実際の教室での教育は、教師が唯一の解答といったふうに板書し、それを生徒がノートに写し、その写した量を後でテストするという詰め込み教育になっている。総合学習はそうではなく、前者のデザイン教育のようなものであるべきである。われわれの暮らしでは問題を解決するとまた新しい問題が起こる。そういうダイナミズムが総合学習を必要としたのであり、脳とデザインの関係を考えることで総合学習のプログラムが生まれる可能性がある、と提案しておられました。

【ディスカッション】

Q:

デザイン教育における、プロセスのチェック、考えること、創造性は、作業をしていくこと、作業の段取りをつけることとどう関連しているのでしょうか?

A:

たとえば物を取る道具を作るとき、自分のためであれば物が取れればそれで終わりです。しかし自分以外の人の使用を考えて役に立つものを作ろうとする時、プロセスとして物を作るようになります。目の見えない人だったらどういうふうなものがいいか、車椅子に乗っている人だったらどうか、のように、自分以外の人が道具を使うプロセスに対応づけますが、それは応用性があります。プロセスを大事にして物を作ること、そういうことを思いつくような自由さが大事で、それを学習してもらうということだと思います。


Q:

小中学校での総合学習についてどういう形が望ましいと思いますか?

A:

先生方がもう少しフレキシブルに自分の周りのものを子どもに結びつけて勉強に結びつける様な工夫ができればいいと思います。その際、専門家からのサポートが必要になることもあると思うので、そのためのコーディネーターも要るのではないかと思います。

 

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「新しい遊びの空間デザイン -スヌーズレンの紹介」

山中 裕子 (日本スヌーズレン協会)、小菅 秀康 (日本スヌーズレン協会)


 スヌーズレンはもともとオランダ語による造語で、自由にゆったりと楽しむ姿をあらわし、1970年代の中ごろに重度重複障害を持つ人への療養施設で考案されました。現在では重い障害を持つ人たちのケアの分野だけではなく老人、健常児の施設、精神障害を持つ人々、だれもが楽しめる公共施設などにもヨーロッパ各地で広く普及しています。スヌーズレンは当初、重い障害を持つ人々が受け入れやすい刺激や環境を提供することで、自己選択により自分自身の時間を過ごすこと、また介護者は同じ人間として刺激を楽しみ、互いの感じ方や喜びを共有する精神的な部分がとても大切にされていました。今ではスヌーズレンで子どもたちが示す変化、例えば鎮静効果や楽しさ、情緒の解放といった、いろいろな行動のモチベーションを高め問題行動の軽減や発達支援につながる緩やかな治療の場と考えられています。日本では現在まで知的障害を持つ人々のケアの分野で非常に急速な広がりを見せ、スヌーズレン活動をしている施設は約700 カ所と広がっています。発表ではビデオで、実際のスヌーズレン空間についての詳しいご説明がありました。
 スヌーズレンの刺激は基本的にプライマリーでやわらかくやさしい感覚刺激で、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、振動、固有覚など、五感に働きかけ、感覚そのもので感じられるもの、また様々な感覚にダイレクトに飛び込んでくる刺激をあえて使っているとのことです。またインドアのスヌーズレンはすべて電気で動いており、その人の嗜好や刺激の処理能力に合わせて刺激の種類や量を調節可能なマルチセンサリーな空間です。発表では事例として重症心身障害の男児について、以前は日中の覚醒は殆どなしであったのが、スヌーズレンの刺激環境の中で刺激の種類、量を調整することで、数カ月の経過後、追視などの認知行動の出現や部屋に来ると自然と覚醒するという学習が観察されたことなどを報告されていました。
 またヨーロッパ、イギリスでは小児病院の病室には必ずと言っていいほどスヌーズレン施設が置かれ、特にターミナルケアやエイズといった疾患を持った子どもたちの病棟では大変重要な取り組みとみなされているとのことです。日本ではICU での取り組みから、十分に消毒を施したスヌーズレン機器を持ち込むとことで、子どもの覚醒が高まったり、笑顔や積極的な追視活動が行われたりと、困難な健康状態の中でも認知行動の発育支援となっているということでした。また看護者にとっても安らぎの時間であり、親御さんは子どもが子どもらしく扱われているということで安心されるということでした。
 障害受容の支援でも掛け値なしにスヌーズレンの空間は面白いので、障害を持った子どもと持っていないきょうだいがともに時を過ごすことで、カウンセリングとあわせて非常によい障害受容の支援の場になっているそうです。特別支援教育をきっかけに、教育現場への普及が今後期待されるとのことでした。

【ディスカッション】

Q:

スヌーズレン空間の定義は何ですか?またスヌーズレンでは効果を求めないということでしたが、何らかの形で検証しないとなかなか広まらないかなという気がするのですが、どうでしょうか?

A:

スヌーズレン空間は五感を刺激する空間がベースです。その定義は動と静があり、動の方は、ソフト・プレイ・ルームとも言い、階段があったり乗っている台が揺れたりといったいろいろな五感刺激で、静の方はゆったりしたリラクゼーション的音楽、やわらかい光、水など静かな雰囲気のものです。効果は求めないといいましたが、実際にはいろいろな面で認知度や覚醒レベルなどの変化があり確かに効果はあります。


Q:

スヌーズレンを乳児院や被虐待児が大勢いる施設の中に作ったりなどもいいと思うのですが、対象年齢や乳児への応用といった経験を教えください。

A:

乳児院はないですが、学校関係ではあります。スヌーズレンは年齢、健常者、障害者を問いません。乳児院に入れたことはないですけれども、乳児が実際に体験するというのはたくさんあります。

 

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「Family Ensemble:子どもの楽器練習意欲促進のための連弾支援システム」

大島 千佳 ((株)国際電気通信基礎技術研究所 メディア情報科学研究所)


 大島先生らは,現場での経験を活かし,子どもの楽器練習意欲促進の問題について取り組んでいます。今回は,ピアノの連弾を支援するシステムについてご発表していただきました。最初に研究の現状として,家庭内での教授法については研究が進んでいないこと,さらに演奏者の問題として,家では練習しない子どもが多いこと,ピアノ未経験でも子どもと一緒に合奏したいと思う親が多いことを指摘しました。こうした問題点を克服すべく開発したのがFamily Ensemble(以下,FE)です。FEは,子どもの家族を支援することによって,初級者の子どもと全く演奏経験のない親とのピアノ連弾を可能にするシステムのことをいいます。つまりFEを使用することで,家庭での連弾が実現し,子どもの家庭内での練習意欲や,子どもとその家族との合奏を増加させることができます。発表の前半は,このFEの開発背景と実際にFEを使用してのデモンストレーションでした。
 発表の後半では,親子を対象とした評価実験の結果報告をしていただき,その様子をビデオ映像でみせていただきました。結果もたいへん興味深く,5組の親子を対象にFEの使用効果を調査したところ,FE導入後には,親子の連弾の回数,子どもの一人練習が劇的に増加したといいます。こうした結果は,FEの使用によって楽器演奏の経験がない初心者(家族)が初級者(子ども)とでもすぐにピアノ連弾を行えること,そして子どもの練習意欲が促進されることを示している,としています。実際の親子のやりとりとして,FEの使用前では,子どもは親に対して音譜に相応する鍵盤の位置を教えることに多くの時間を費やしていました。しかしFE使用中には,音楽的な表現についての対話が生まれ,親子がお互いの音楽的なアイデア、プランを出し合って演奏をすることがみられたという報告がありました。FEの教育的な効果としては,親子や子ども1人での練習機会の提供,自分のレベルを知ることによる練習意欲の増加,親への競争意識による練習意欲の増加,間違いへの気づき,他者への教授による理解の深化が挙げられました。今後の課題は,現在の演奏位置を提示する電子楽譜の開発,FEの長期の使用だそうです。

【ディスカッション】

Q:

Family Ensemble のこの機械は、すばらしいと思いますね。私も、子どもが小さかったときにやりたかったと思います。昔、ファミリーコンピュータというのが日本でありまして、これはすばらしく普及しました。このFamily Ensemble も、実際に各家庭で使えるのでしょうか,また、どういうものが家にあればそれができるのでしょうか?

A:

御家庭にサイレントピアノ──普通の黒い、グランドピアノとかでもサイレント機能のついたピアノとか、88鍵、全部そろったキーボードとかが今普及していると思いますが、そのような、MIDIデータがパソコンに出せる端子がついている楽器だったら何でもできます。ソフトウエアを皆さんの御家庭のパソコンの中に入れてもらってつなげれば、すぐできる状態になります。


Q:

FEの商品化は今どういう段階にあるのですか?

A:

商品化につきましては、何件か問い合わせをいただいておりまして、一応それぞれと話を進めている状態です。ただ、今一番ネックになっているのが、連弾支援システムですといって売り出して売れるのかなというところです。今売れる楽器というのは、いわゆるおじさまたちが昔を懐かしんで簡単にできる楽器です。ただ,簡単楽器は、その楽器をやった気になるというものなんですね。私どもは、ピアノを弾けるための1段階としてではなくて、新しい楽器でもっと新しいインターフェースで、ずっと使い続けてもらえるもの、何かの補助的なものではなくて、一つの新しい楽器として使ってもらえるものが発明できたらいいなというふうに、思っています。そんなわけで、商品化してくださる方がいらっしゃるならば,いくらでも応じますので、よろしくお願いいたします。

 

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「子どもが支援者として関わる学びの場のデザイン:MuuSociaの活動報告」

後安 美紀 (ATRネットワーク情報学研究所)


 後安先生らは,弱い立場の潜在力を生かしたコミュニケーションロボット,Muuを用いMuuSociaという活動を行なっています。Muuは一人では何もできない存在、人間にしてみれば何かを助けることで自分の存在意義が確認できる、ロボットにしてみれば、助けてもらうことで人間を助ける、そういった、相互扶助の関係を構築するというコンセプトのもとでつくられたロボットで,ふっくらとやわらかい頬,大きな丸い目を持っており,ぎこちない動きを特徴としています。
 今回の発表では,子どものための参加体験型博物館で行なった2回のフィールド実験の様子を報告されました。このフィールド実験では,ロボットと子どもがどのようにインタラクションを続けるか,という観点から親子とMuuが積み木で遊ぶ場面を設定し,そこでみられた行動や会話などのやりとりを分析しています。Muuの言語的/非言語的行動は,背後で実験者がコントロールしています。参加者は,家族単位で6月は30チーム,10月は59チームの参加があったそうです。子どもの年齢層は幅広く,0~12歳までおり5、6歳が最も多かったといいます。結果として,実施する場面によって保護者の行動に差がみられたということで,実際のやりとり場面をビデオで紹介していただきながら,ご報告してくださいました。
 オープンスペースでは大声でMuu に話しかるため,会話が積極的に展開していったのに対し,スタジオでは保護者は静かにMuuと会話するので,そのことが子どもの行動にも影響を及ぼしたそうです。また,子どもとロボットのやりとりが続いたのは,以下の3パターンに分類することができるということでした。1)Muu に自分の作品を評価してもらおうという態度が見られた時,2)子どもがMuuを助けようとする時,3)思考内容を声に出すことでロボットに会話のきっかけを提供する時です。今後の課題は,これら3条件を高い頻度で起こさせるようなインタラクション場面の構築,そして子どもがMuu に絵本を読み聞かせるなど,子どもが支援者の立場に立った言語学習プログラムの開発ということでした。

【ディスカッション】

Q:

(子ども―親―Muuの)三項関係と(子どもによるMuuへの)援助行動が見られたビデオは,どちらもお父様と子どもという関係だったようですが,お父様とお母様で会話の性質が異なるのか,ということについて教えていただきたいのですが。

A:

今回の調査では,お父さんは三項関係,お母さんは二項関係(母親と子ども,もしくは母親とMuu)に持ち込むのが多かったです。二項関係は2歳ぐらいまでは有効な方法で,会話を生みだしやすくします。5,6歳以上だと、三項関係的関わりのほうがMuuとの会話は維持されているという傾向がありました。年齢によって二項関係が効果的な場合と、三項関係が効果的な場合があって,後者は,単純に男と女というふうに性差で分けられないと思いますけれども、お父さんがしばしばやっていたやり方です。


Q:

Muu を調査の目的のための道具として位置づけておられるのか、それとも子どもがコミュニケーションをする相手として実用的に使おうと考えておられるのか?もし実用的に使うのであれば、若干心配があります。どうしても最近の子どもは機械相手にしかコミュニケートができないという傾向がありますが、生身の人間とのコミュニケーションが本来だと思います。その辺をどんなふうにお考えになっているのか。

A:

人間同士のコミュニケーションが最も大事なことだと考えていまして,ロボットはあくまで道具という位置づけですが,実用化の方も進めています。ポイントとなるのは、人間とロボットという2者関係の閉じた関係ではなく,間に物を介在させることです。人間の想像力を誘発すれば、物の世界(積み木や絵本など)はいかようにでもつくれます。Muuを介してそういう世界を引き出していく。物の世界、想像力の世界を誘発するための道具としてMuuを捉えています。また,子ども―Muu―物で成り立つ世界だけではなく、そこに親もかかわれる可能性に開かれたものをつくっていきたいと考えています。

 

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「Playshop Revisited」

上田 信行 (同志社女子大学)


 プレイショップは、チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)で作られた日本発の概念です。1999年当時まだ総合的な学習の時間もなく、そこで新しい能力観や知性観、教育のビジョンを作ろうと考えられました。「Playful Spirit」というキーワードは、その場と人と物、自分を生かし、いろいろな新しい意味を創造していくということです。またプレイフル・インテリジェンスは、コミュニケーションができるか、プレイフルであるかということを示します。いろいろな物、環境、人とのインタラクションの中で現れる新しい能力観や感性がこれからの時代では大事になってくるというのが大きなメッセージであったとのことです。プレイショップでは、ワーク(ショップ)ではなくプレイフルなものをデザインする場として、その場に立ちあらわれてくることを大事にします。活動のモデルは「つくって語って振り返る」です。今回の発表では、特にこのような場をどうやってデザインするか?といったデザインアプローチの研究を子ども学に位置づけていきたいといった点が述べられました。子どもがプレイフルになる活動をサポートしデザインするポイントは、まず注意を引くこと、次はエンゲージメントする、本気でかかわること、3番目はインタラクション、交流、4番目は振り返って何かに気づくことだそうです。発表では場の設定に注意を払いプレイショップを組み立てておられた様子を、洋服作りや吉野の紙すきなどのプレイショップの例からご紹介いただきました。
 プレイショップを通して、メディアや表現への見方が変化し、人との関係性の中で創発的に立ちあらわれるものへと変化していきます。人間観や自分観も、一人ひとり個別の特性から、もっと関わりやつながりを感じていくような関係的・創発的なものに変わっていくということです。またプレイショップでは、やっている現場としてのオンステージ、サポートしたり記録したりするバックステージ、ちょっと上のほうから全体の流れをみたりするメタステージの、3層で構成されています。こうした状況では1つのプレイショップにいろいろなプレイショップが入れ子状態で遍在しています。そうした中にプレイフルネスが立ちあらわれ、そこでの楽しさは付加価値でなく本質となります。プレイショップで大切なのは活動のデザインであり、活動を引き起こし盛り上げていくための道具、空間のデザインが必要です。また子どもたちが一緒に共同でやっていく場、それこそがプレイショップであり、そこには世代間の違いや異文化があるということです。また取り組んでいく際には非常にリフレクティブなデザインの思考がプレイショップのデザイナーにも必要です。そしてまた参加者が企画者に回っていくという形での輪の広がりが起こることはプレイショップの1つのいいモデルと感じているとのことでした。

【ディスカッション】

Q:

プレイフルから継続・持続して生まれる成果や、その後、子どもの何にどういうことが起こり、どうなったかというあたりのフォローのデータがあったら、教えてください。

A:

単発的な実践としてやっていますので、フォローのデータはまだないんです。ただ探究のプロセスがデザインであり、それを自分で振り返って人に伝えます。自分がどう考えたかは人に伝えることによって可視化されます。そういった中から、自分の新しい学びとか、他者と共同して自立していくというようなことが、自然と受けとめられるのではないだろうかと思っています。


Q:

子どもは成長という問題解決を抱えて日々突き当たっている。それから、ある意味で、飛躍する瞬間、機会がプレイショップだと思うので、いろいろと成果や理論というよりも、やりっぱなしということに価値があるのではないかと思うのですが?

A:

プレイショップでは場のデザインは人工的にやらなければならない面もありますので、いくらかの設計理論はいるかなと思っています。しかし場そのものは本当に楽しい場であることをいつも考えています。


Q:

特定の子どもに対して、先ほどの成長したときの成果も含めて、プレイショップには適正年齢、卒業年齢みたいなところがあるのでしょうか。

A:

学びを楽しいと思ってもらえるように、グループで考えたり、伝えたり、その中で少しハードなものを乗り越えたりすることはすごく楽しいんだよということを、どこかで意識してもらうチャンスとして限られた時間の中で単発的に何かできないだろうかということでプレイショップをやっています。


Q:

それでは、卒業というか、そこを通り過ぎていくという発想でいいのでしょうか?

A:

そうですね。ただ一番困るのが、プレイショップへ行かないとプレイフルになれないということです。それはおかしいですよね。そこで得たものを日常の中で生かしていってほしいと思います。

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